テキストサイズ

騎士様は私のボディーガード

第14章 騎士様、私の両親を紹介します

『あら、どうしたの、美桜』

「お母さん、明日のことなんだけど……急用ができて行けなくなっちゃったの。だから、後日……」

『あら、残念ね。どんな急用かはわからないけど、少しの時間も取れないの? 約束を守れない男はだめよ。それとも、怖じ気づいたのかしら』

「彼はそんな人じゃない!」



その時、また心臓がドクンッと波打った。
しかもどこからか突き刺すような視線を感じる。



「……そうなの……彼は怖じ気づいたの……だから私、彼と別れることにしたの……」



───っ!?


どうして!?
また口が勝手に……!!



『あら、そう? 別れるのね。良かった、安心したわ』

「うん、もう彼とは二度と会わないから」



やめて!!



「あと、今から迎えにきてもらいたいの、S町の病院まで」



───っ!!



『S町の病院? あなた、どうしてそんな所にいるの?』

「お父さんが入院しているの。近くの廃墟で色々あってね……だからお母さん、お父さんの服とか持ってきてくれない?」



うそっ……
お父さんのことまで話しちゃうなんて……!



『……わかったわ、美桜。今からそっちに行くから待ってなさい』



電話が切れると、フッと身体が楽になった。
同時に突き刺すような視線もなくなる。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ