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騎士様は私のボディーガード

第14章 騎士様、私の両親を紹介します

「あと、そこのスーツを着たあなた」



お母さんが私の後ろで見守っている朝比奈さんに振り返る。



「あなたが美桜の彼氏かと思ったけど、違うのね。ボディーガードらしいけど、美桜のことは酒井くんに任せるから、もう帰っていいわよ」

「待って、お母さん!」

「一般人がボディーガードを雇う必要なんてないでしょ。お金も高いんだから」



私はすがるように朝比奈さんを見た。
今、酒井さんと二人きりになったら何されるかわからない。



「申し遅れました、私、朝比奈と申します」



険悪な雰囲気の中、朝比奈さんはにっこり微笑むと、名刺をお母さんに渡した。



「今は仕事以外で、美桜さんを護衛させて頂いてます。お金はかかっておりませんので、ご安心ください」

「え? 仕事以外って……どういうこと?」

「お言葉ですが、その酒井という人物は本当に信用できる方なんでしょうか?」

「えっ……?」

「美桜さんの表情を見てわかりませんか? 娘さん、怯えてますよ」

「!」



お母さんは私の顔を見てハッとした。



「美桜さんは私が責任持って、彼女のアパートへ送り届けます。彼女は、私が守りますので」



堂々とハッキリ言い放った朝比奈さんの後ろに、なんとなくシリウスの姿が見えたような気がした。



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