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騎士様は私のボディーガード

第14章 騎士様、私の両親を紹介します

「……わかったわ、そこまで言うのなら、お願いするわ」

「お母さん……」

「美桜……もしかして、最初から……。ううん、なんでもないわっ……」



明らかにお母さんは動揺している。
もしかして心当たりがあるとか?



「あのね、お母さん……お父さんを怒らないで欲しいの」

「……」

「後から聞いたんだけど、お父さんは意地でも私の電話番号を教えなかったんだって。でも寝てる隙に私物を荒らされて、家族で撮った写真を奪われたの。写真の裏には私とお母さんの番号が書かれてたから、そこから知られてしまったみたい」

「……そう、どうしてその男は私の方に電話しなかったのかしら」

「……」



お母さんには私が鏡の中へ突き落とされたことは言っていない。だから、廃墟マニアの男の目的は、お金だと思っている。



「はあっ……情けないわね。あれほど私たちに迷惑をかけるなと言ったのに、これだもの。この人がちゃんと働いてれば、美桜が巻き込まれることもなかったのに……」

「お母さん、お父さんは生きるのに必死だったんだよ。責めないであげて」

「なによ……美桜はいつもこの人の肩を持つのね。私だって必死で働いて……あなたたちを養ってきたのよ。私が潰れたらおしまいだと思って、踏ん張って生きてきたのに……!」



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