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騎士様は私のボディーガード

第14章 騎士様、私の両親を紹介します

「……もう少し、静かにできないものかね」



突然ボソッと呟いたのは、ベッドで眠っていたと思っていたお父さんだった。



「お父さんっ!」

「あなたっ……起きてたの?」



お父さんは私とお母さんを交互に見ると、力なく微笑した。



「……二人とも、迷惑をかけてすまなかったな……」



私は「そんなことない」って頭を左右に振る。
でもお母さんはフイッと横を向いた。



「……全く、本当に迷惑だわ。自分のことは自分でなんとかしてって言ったのに、私たちを巻き込むなんて」

「すまない、美沙……」



どうしても怒りを隠せないお母さんに、お父さんは困ったように微笑む。
でもなんだかんだ、着替えを持って病院に来てくれたお母さんの行為に、お父さんはどこか嬉しそうだった。



「ところで……君は一体誰なんだい?」



お父さんがドアの前に立つ酒井さんを見て眉を潜めた。



「彼はっ……」

「はじめまして、美沙の元旦那さん。僕は美沙の恋人です。まさか、こんな所で元旦那さんに会えるとは思いませんでした」

「やめて、酒井くんっ……」

「彼女のことはご心配なく。僕はあなたと違って、一生困らないほどの財力がありますし、仕事もできる男なので。美沙を困らせたりはしませんよ」



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