騎士様は私のボディーガード
第14章 騎士様、私の両親を紹介します
それから私は病院へ向かった。
お父さんは私を助けようとした時に転倒し、意識を失ってしまったらしい。朝比奈さんがすぐに病院に連れていってくれたため、大事には至らなかった。
そしてシリウスは私の異変に気付き、廃墟マニアの男を探しに行った。
本心が言えない私に「必ず助けてやる」「帰ったら続き、しような?」と言って、熱いキスをしてくれたけど……まさか乙姫社長の家で続きをするなんてことはないよね?
「……っ」
じゃあ、しばらくはエッチできないかも……──って私、こんなときに何考えてんの!?
ストーカーしてくる酒井さんはまいたし、あとは乙姫社長の家に行くだけだから、ちょっと気持ちが緩んじゃった。
「気を引き締めないと……」
私はそう思いながら、トイレの洗面所で手を洗いながら鏡を見た。
そこには私の顔じゃなく、黒いフードを被った女の姿が写っていた。
「ひっ……!!」
ゾクッと全身が総毛立つ。
慌てて後ろを振り返るけど、誰もいない。
『……渡さない……』
鏡の中の女が喋った。
しかもよく見ると、その黒いフードを被った女は、あの黒いローブを纏った銀髪の女だった。
初めて聞いた銀髪の女の声。
でも一瞬、どこかで聞いたような──。
お父さんは私を助けようとした時に転倒し、意識を失ってしまったらしい。朝比奈さんがすぐに病院に連れていってくれたため、大事には至らなかった。
そしてシリウスは私の異変に気付き、廃墟マニアの男を探しに行った。
本心が言えない私に「必ず助けてやる」「帰ったら続き、しような?」と言って、熱いキスをしてくれたけど……まさか乙姫社長の家で続きをするなんてことはないよね?
「……っ」
じゃあ、しばらくはエッチできないかも……──って私、こんなときに何考えてんの!?
ストーカーしてくる酒井さんはまいたし、あとは乙姫社長の家に行くだけだから、ちょっと気持ちが緩んじゃった。
「気を引き締めないと……」
私はそう思いながら、トイレの洗面所で手を洗いながら鏡を見た。
そこには私の顔じゃなく、黒いフードを被った女の姿が写っていた。
「ひっ……!!」
ゾクッと全身が総毛立つ。
慌てて後ろを振り返るけど、誰もいない。
『……渡さない……』
鏡の中の女が喋った。
しかもよく見ると、その黒いフードを被った女は、あの黒いローブを纏った銀髪の女だった。
初めて聞いた銀髪の女の声。
でも一瞬、どこかで聞いたような──。