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騎士様は私のボディーガード

第15章 騎士様、あなたは誰ですか?

「や、やめてっ……」

「やめない」

「!?」

「言っただろ? 帰ったらキスの続き、するって」



そう言うと彼は、私の耳や首筋にキスを落とした。



「……んっ……」



誰なのかわからないのに、彼に触れられることに心地よさを感じる。



「……あ……」



気づけば、目の前に青い瞳があった。
僅かな月の光でキラキラと輝いているその瞳は、私を愛おしそうに見つめている。



「……っ……」



私はこの瞳を知っている。
なのに、誰か思い出せない……



「ミオ……」

「……だめっ……」



私は唇にキスされる寸前で、彼を拒んだ。



「だめっ……私、あなたのことがわからないのっ……」

「!」



なんだろう、胸が痛い。
拒むことがこんなに苦しいなんて……。



「……そうか。やっぱりミオは、俺のことだけ忘れてしまったんだな」

「えっ……」

「ケイゴから聞いた。ミオの様子がおかしいって」

「私が……おかしい?」



青い瞳の彼は「とりあえず話そう」と、私から離れると、部屋の電気をつけた。



「……っ」



明るい場所で、彼の姿を見てドキッとする。
こんなに美形な人だったなんて……。
日本人……じゃないよね?



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