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騎士様は私のボディーガード

第15章 騎士様、あなたは誰ですか?

「なあ、ミオ……。俺と愛し合ったことも、忘れてしまったのか?」

「えっ……」



シリウスが切ない表情で私を見つめる。



私とシリウスが、愛し合っていた?
私がシリウスを……愛していた?



「……っ……」



だめだ、何も憶えてない。
シリウスの記憶が全くない。



でも私がここにいるってことは、シリウス繋がりだったんだと思う。
だって、ボディーガードなんて普通に考えて雇ったりしないから。



きっと、シリウスが私を守ってくれたんだ。なのに私はなぜかシリウスのことだけを忘れてしまって……。
ううん、鏡の中に入った記憶もない。
どうして?



どうしよう……私はなんて答えればいいの?
もし本当に愛し合っていたのなら、私はずっと彼を傷つけていることになる。



「美桜様、マカロンはお好きですか?」

「……え?」



顔を上げると、蛍ちゃんが目の前に色とりどりのマカロンを置いてくれた。



「うん、好きだよ」

「じゃあ、お饅頭は? ケーキは?」



そう言って、蛍ちゃんは次々とテーブルにお菓子を置いていく。



「こらこら、蛍。夜中にそんなにお菓子を食べたら、美桜ちゃんが太ってしまうよ」

「だってお菓子を食べたら、美桜様が元気になるかと思って」



気づけば、テーブルの上はあっという間にお菓子だらけになっていた。




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