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騎士様は私のボディーガード

第15章 騎士様、あなたは誰ですか?

「その魔術師が何者なのか探るために、更に式神を使って形跡を辿ったんだが、見つけることはできなかった」

「美桜ちゃんが鏡の中に入った記憶も消されているということは、自分たちの存在を知られたくなかったんでしょうね、シリウスに」

「まさか、その魔術師って……」

「ああ、恐らく俺に恨みを持った奴らの仕業だろうな」

「!」



シリウスに恨みを持った人たちが……。



「じゃあ、その人たちはシリウスの身近にいるかもしれないってこと?」



シリウスは頷く。



「記憶を消す魔法があるというのは聞いたことがある。しかし使える人間は限られているはずだ」

「シリウス、心当たりはあるのかい?」

「恨みを持つ人間か……心当たりがありすぎて誰かわからないな」

「えっ……」

「なんせ俺はモテるからな。女ならみんな俺を恨むだろう」



は?
自分でモテるとか言っちゃうの?
てか、そんなにも女性から恨まれるなんて、一体何をしたの?



「シリウス、女性は大切にしないといけないよ」



私は乙姫社長の言葉にウンウンと頷く。



「今は……大切にしてる。いや、大切にしたい」



シリウスは私をまっすぐに見つめながら言った。ドキッとして、思わず私は顔をそらしてしまう。




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