テキストサイズ

騎士様は私のボディーガード

第15章 騎士様、あなたは誰ですか?

どうしてそこまで、私を?
モテるなら、元の世界に戻ればいくらでも女性と付き合えるのに、どうして私の記憶を取り戻そうとするの?



それに元々住む世界が違うのなら、記憶を取り戻してもお互い辛いだけじゃない?
だっていつかは元の世界に帰っちゃうんだよね? だったらこのまま、彼のことを忘れたままの方が……。



『待ってる!
ずっと、信じて待ってるからっ……』



──え?
今の気持ちはなに?
今のは……私の気持ち?



辛くて切なくて、だけど幸せな気持ち……。
シリウスのことが愛しくてたまらない気持ち……。



「ミオ、俺はとりあえずシャルロ王国に戻ることにする」

「えっ……」

「魔法はかけた者もしくは、同等の力を持つ者じゃないと解くことができないんだ。だから、レティシアならそれができるかもしれない」

「!」

「だから、それまでここで待っ──」



私は思わずシリウスの服を掴んだ。



「──ミオ?」

「……行かないでっ……」



思わず自分の口から出た言葉にハッとする。



「ミオ、今のは……」

「わからない、私っ……ごめんなさい!」



私はその場から逃げ出した。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ