テキストサイズ

騎士様は私のボディーガード

第15章 騎士様、あなたは誰ですか?

すごくモヤモヤする……
レティシアって誰?



シリウス……また私を置いて行ってしまうの? ううん、シリウスは私のためにシャルロ王国に戻るだけ……
でも、もう帰ってこないような気がする……



「……はあ、もうやだっ……」



いろんな思いが溢れてきて、わけがわからなくなる。私は自分の部屋に戻ると、そのままベッドに突っ伏した。



ギシッ……とベッドの軋む音がする。
誰かの息遣いが聞こえてくる。



──何?
誰かいるの?



薄暗い部屋の中で、隣のベッドで揺れる人影が見える。
一人じゃない、二人重なって……。



「!」



慌てて起き上がると、隣のベッドで裸のシリウスが誰かと身体を重ねていた。



「なんでっ……」



シリウスが、自分以外の誰かと寝ていることにショックを隠せない。



「どうしてっ……」



隣からは女性の喘ぎ声が聞こえてくる。



「……あぁん、シリウス様っ……愛してますわ……」

「──ああ、俺も愛してるよ……レティシア」

「!!」



やめてっ……
私以外の人の名前を呼ばないで!!



愛してるって言ったのに!!
大切にしたいって言ったのに!!



あれは嘘だったの……?



やだ……
行っちゃやだ……



シリウス、行かないで……
私を一人にしないで……



シリウス───……!




ストーリーメニュー

TOPTOPへ