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騎士様は私のボディーガード

第6章 騎士様、二人はお別れです

「姿は見えなかった。でもそういえば……声が聞こえた気がする。低い、男の人の声だった。私の名前を呼んだような気がする……」

「!」



それを聞いて思った。
もしかして鏡はあの穴と同じ、異世界に繋がってるんじゃないかって。


シリウスも同じことを思ったみたいで、私たちは顔を見合わせた。



「ウラユ、そいつの声に聞き覚えはあるか?」

「う~ん……──あっ!」



ウラユはポンッと手を叩いた。



「もしかして相方かも……!」

「相方?」

「そうだ……あの声、怒ったときのゲンブの声だ!」



それがわかると、ウラユの顔は明るくなった。



「じゃあ、鏡は私がいた世界に繋がってるの?」

「──みたいだな」

「ゲンブ……ねえっ、ゲンブ聞こえる!?」



ウラユは鏡に向かって、相方の名前を呼んだ。



「ゲンブっ……お願い、シュンスケを返して欲しいの!」




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