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パンダウサギさんは背筋を伸ばすと、もう一度信さんを指差して

「アタシは～、その腰に付けてる刀を貸して頂戴って言ってるのよ～？」

は？

刀？？

確かに信さんは日本刀を帯に差してる。

立派なものって……それの事…？

「ならばそう言わぬか！」

勘違いに気付いた信さんが、更に顔を赤らめて怒鳴る。

そんな彼にパンダウサギさんは肩をすくめて

「何だって言うのよねぇ？」

私に同意を求めないで！

「今のは絶対にパンダウサギさんが悪い気がする」

私も惑わされたし。

憮然とした態度で答えれば、パンダウサギさんは小さく笑う。

ああもう！

どうしてこの人はこんなにも可愛くて色っぽいんだろう？

この人の頼みなら何でも聞いてしまいそうになる。

だけど信さんは刀に手をかけると首を振った。

「しかし…この刀はワシの命とも言えるものじゃ。そうやすやすとは人に貸すことなど出来ぬ」

「刀とお母さんの命、どっちが大事なのよぉ！」