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お話の続きは異世界で

第9章 計算高いお姉さまは

刀を褒めてるんだろうけど、信さんはそれどころじゃないみたい。

「これ!早く元に戻さんか!」

鞘を突き出して、刀を収めるよう勧めるけど、パンダウサギさんはふふっと笑うだけ。

「いいじゃな~い?どうせ今から使うんだしぃ~」

「縁起が悪いではないか!」

「縁起って…」

パンダウサギさんは困ったように肩をすくめた。

縁起って…もしかしてアレかな?

戦いの前に鞘を棄てるのは、負け戦だと覚悟している時だ、とかって話。

勝って刀を収めるつもりがないから…なんて説もあるらしいけど。

でも。

「そもそも、今、戦いじゃないし」

冷静にツッコミを入れると、信さんは眉を下げて悲しそうに私を見た。

「ごめん!でもさ…」

「だよねぇ~!分かってるぅ」

パンダウサギさんはさらに上機嫌になり、信さんは鞘を持つ手を下げてしまう。

「信さん、でもね」

何とか慰めたくて言葉を探していると、パンダウサギさんが歓喜の声を上げた。

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