テキストサイズ

お話の続きは異世界で

第9章 計算高いお姉さまは

「この目貫(めぬき)…。あらあらあら~?」

見れば、パンダウサギさんは刀の柄の部分の、飾りのようなものを見ていた。

何あれ?

「それがどうかしたのか?」

信さんも眉を寄せて訊く。

「ハヤブサに楓…ねぇ」

「ワシの家の印が何だと言うのだ!?」

それを聞いて、パンダウサギさんは口元に手を当てた。

その行動は、笑みを隠してるように見える。

あの飾りは何なんだろう?

するとカエルが薬草にぶら下がったまま訊いてきた。

「オイラはもう戻ってもいいのかぃ?」

「いいわよ~」

パンダウサギさんの楽しそうな声にカエルは足早に戻ってきた。

「じゃあ~!行くよぉ!」

そう言って雄叫びを上げると、ピョンピョンと軽々しく跳ねていった。

「さすが。早いねぇ」

パンダウサギさんの動きを見ながら感嘆すると、カエルが得意気に話す。

「ネェちゃんは特に層を作るのが得意だしな」

「層?」

分からず首を傾げて訊くと

「空気を積み上げたものさぁ!」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ