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お話の続きは異世界で

第1章 佐藤くんの小説を読んだら

落ちる!落ちる!!

2階だって言ったって、このまま落ちたら怪我するに決まってる!

ぎゅっと目を閉じ、その衝撃に耐えて…

でも…

…痛く、ない…?

「……あれ?」

恐る恐る目を開けると…

目の前にはうさぎの呆れ顔があった!

「うぎゃぁぁぁあっっ!!」

おもいっきり叫ぶと、ウサギが顔をしかめた。

「大きな声で叫ばないで戴きたい」

そう言って、ピンと直立した耳をぴるぴると動かしている。

耳、痛かったのかな。

だとしたら悪いことをしちゃったなぁ…

……って言うか…

何でこんなに近い距離でウサギの顔を見ているんだ!?

疑問が沸き上がった途端、軽い衝撃とともに強風が体に襲いかかってきた。

「ひゃぁっ!」

反射的に体をすくめる。

でも…あれ?自由が効かない。

そもそも身をすくめた状態で…

って言うか

ウサギに、抱きかかえられてる!?

横抱きにかかえられたまま、自分の体が上へ飛んでいくのを感じる。

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