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お話の続きは異世界で

第9章 計算高いお姉さまは

私達には使えない技なんだよね。

「だからネェちゃんはすげぇんだよ!」

カエルが大絶賛しているうちに、パンダウサギさんが薬草に手をかけて、切り落とそうとした。

「いっせーのっ!」

そんな掛け声と共に刀を振りかざした!

「こ…これこれ!!」

信さんの叫びとほぼ同時に、パンダウサギさんが刀を振り下ろす!

カコーン!

小気味よい音が辺りに響き渡った。

そして信さんが頭を抱えて叫ぶ。

「何と手荒な使い方を…っ!」

「んもぅ!固くって切れない~!」

「だからと言ってノコギリのように…これっ!止めぬか!!」

慌てる信さんを尻目に、パンダウサギさんはギコギコと押切りしようとする。

何度か刀を往復させて…

「切れなぁい~!」

「当たり前じゃ!」

ふぅ、とため息をつくパンダウサギさんを信さんが一喝する。

「それでは無理じゃ!早ぅ戻って来ぬか!」

「はぁーい」

パンダウサギさんはそう返事をすると、ピョンピョンと降りてきた。

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