テキストサイズ

お話の続きは異世界で

第9章 計算高いお姉さまは

やけにあっさりと引き下がったなぁ。

パンダウサギさんの様子に、首を傾げかけて…ふと思う。

これはもしかして…無理だってあきらめたパターン?

パンダウサギさんは、どう見ても日本刀の扱いに慣れていない。

今も信さんに刀を返して…

信さんが刀に支障が無いか、角度を変えながら刃を見てるのを、呆れてる目で見てる。

見上げれば、薬草が風に揺れて茎をしならせている。

その動きを見ていると、カエルとパンダウサギさんが頑張ったのに、全く効果はなかったみたいに思えた。

初めて見た時と何も変わらない。

「やっぱり信さんじゃないと、うまく切れないんじゃない?」

思ったままを口にすれば、信さんが眉を寄せる。

「だが、足場が…」

「じゃあ、持ち上げてあげるわよぉ~?」

パンダウサギさんがふふんと笑うと、おもむろに信さんを羽交い締めにした!

「何をする!?」

「このままあそこまで飛んでけばいいんでしょ~?」

そう言って、脇から回した手をぐいっと引いた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ