テキストサイズ

お話の続きは異世界で

第10章 高く跳び上がって

ぽかんとしてる私とパンダウサギさんの横で、カエルが手を振って否定する。

「そんなん…真っ逆さまに落ちて、死ぬぜ!?」

確かに。

あんな高いところから落ちたら、怪我だけじゃ済まない。

ゾッとして顔を青くする私に、信さんはくくっと笑った。

「その様な無様な真似は」

「しない!とは限らねーだろ?」

「そぉねぇ。あの草、かなりしなるわよ~?」

「反動で手なんか滑らしちまうぜ!」

薬草に触った2人の意見は無視できない。

信さんはさっきに比べて、明らかに弱腰になって呟いた。

「しかし、足場がない以上…」

足場、か。

足場って聞くと、家のリフォームをした時の事を思い出してしまう。

あの時、家の周りをジャングルジムのように鉄の棒で囲まれたっけ。

大工さんはそれを『足場』って言ってた。

二階建て住宅の屋根にも簡単に登れる道具。

何とか足場さえあれば…

あ、そうだ!

「ねぇ、空気を固めて階段みたいなのって作れないの?」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ