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お話の続きは異世界で

第10章 高く跳び上がって

足場がないなら作ればいい。

そんな単純な事が、何で思い付かなかったんだろう!

ナイスアイディアだと思って、浮かれた声で言ったけど、パンダウサギさんの反応は芳しくなかった。

「あのねぇ、それって誰が使うためのものなの~?」

「誰って…」

自然と信さんを目で追ってしまうと、パンダウサギさんがため息をついた。

「それは無理よぉ」

「何で!?」

何でそんな即座に否定するの!?

納得いかなくて食い気味にパンダウサギさんに迫ると

「じゃあ…そうねぇ」

パンダウサギさんは人差し指を立てると、空中で円を描いた。

そして信さんに笑みを送ると、事も無げに言った。

「その辺に空気を溜めてみたから、乗ってみて~?」

その辺?

パンダウサギさんの指し示す場所を見るけど、さっきと何も変わらない。

どの角度、高さから見ても、光が屈折してる部分もない。

空気の層が溜まってる場所なんて認識できなかった。

「…信さん、分かる?」

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