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お話の続きは異世界で

第10章 高く跳び上がって

そんな彼女がついっと人差し指で指し示したのは、見上げる高さに生えている薬草。

「本番はあの高さなのよぉ?」

うっ…

確かに。

さっきの高さでさえビビってたのに、あんな高い場所で立つなんて…

私の思いが通じたかの様に、パンダウサギさんが小首を傾げて訊いた。

「ホントに出来るぅ?」

その問いに、信さんは口を歪ませるだけだ。

信さんにしか切れない。

それは確かにそうなんだろう。

でも、だったら他の方法を考えた方がいいんじゃないかな?

「信さん…無理しなくても」

言いかけた言葉は、信さんに腕を掴まれて止まってしまう。

「いや、無理ではない。せめてどこまでが範囲がわかれば…」

悔しそうに唇を歪めながらも、薬草を見る目は決意に満ちている。

他の方法なんて必要ない、か。

だったら、信さんが切れるようにサポートするだけだ。

「範囲かぁ…目に見えないもんね」

見る事が出来れば問題なく切れるのに。

……って事は!

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