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お話の続きは異世界で

第10章 高く跳び上がって

「ケロちゃん?どうしたのぉ~?」

パンダウサギさんの呼び掛けに、カエルは慌てたように指を離すと

「いやぁ、こうやって触れるのが不思議っつーか …思ってたよりやーらけぇんだなってさ」

へへっと照れ笑いを浮かべるカエルに、パンダウサギさんは身をくねらせる。

「いやぁん、ケロちゃんったらぁ!そんなのより柔らかいわよぉ?」

そう言いながら両手で胸をかき抱くパンダウサギさんに、カエルは

「はいはい」

と呆れ顔を浮かべた。

あれ?

カエルとパンダウサギさんって、恋人同士なんだと思ってたのに。

何か…2人の態度に温度差があるんだよなぁ。

パンダウサギさんはベタぼれって感じで、イチャイチャしたがるのに…

カエルは褪めてるって言うか…

人前だから?

照れてるのかなぁ?

首を傾げて2人を見ていたら、信さんが膝に手を当てて「よしっ!」と気合いを入れた。

「薬草を手にしてみせようぞ!」

「今度こそ、ね」

私の言葉に、信さんはニヤリと笑った。

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