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お話の続きは異世界で

第10章 高く跳び上がって

そして信さんは顔を上げると、崖を見上げた。

私も同じように顔を上げて…崖に生えている薬草を見る。

薬草は相変わらずキィキィと音を立てて、くるくる回っていた。

「さぁ!いくわよぉ~!」

パンダウサギさんがそう言いながら、両手を広げて上に向ける。

目に見えないけど、きっとその手の先には、空気の層が出来上がっているんだろう。

「ケロちゃ~ん、お願ぁい」

「よっしゃあ!任せろっ!」

カエルが、手の中に収まりきれない位の大きさの水風船を、何個も投げつけた。

何もない空間で弾けた水が拡がっていき…

「こんな所でいいかい?」

ふうーっと息を付いたカエルに、コクコクと頷く。

あっと言う間に、薬草の側に畳一畳分くらいの空間が出来上がっていた。

「かたじけない」

信さんが2人に頭を下げる。

するとパンダウサギさんはうふふっと笑って

「まだよぉ?」

笑みを浮かべたまま、信さんに近寄ると

「これから、だから…ねぇ?」

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