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お話の続きは異世界で

第11章 故郷目指し、いざ行かん

パンダウサギさんが宙に浮かんだまま、身を乗り出すようにしてこっちを見てる。

良かった…んだよね?

カエルが不機嫌なままなのが、妙に引っ掛かるんだけど…

「ねぇ、さっきは何が起こったの?」

うずくまって頭を伏せていたから、何も見えなかったんだけど。

すると口を曲げたまま、カエルがぶっきらぼうに話す。

「オイラは水で花を弾き飛ばそうとしたんだ」

「アタシは風で受け止めようとしたの」

「そしたら…」

2人の技が合わさって、薄い膜に覆われた水風船みたいなのが出来上がった…のか。

そのお陰で私は助かったのに間違いはない。

「2人ともありがとう」

それぞれに頭を下げてお礼を言えば、カエルは大きくため息をついた。

「危ねぇから離れてろって言っただろーが」

「うん…まぁ、そうなんだけどさー」

つい体が動いちゃったんだよねー。

へへっと笑いをこぼすと、信さんが笑顔を浮かべて

「じゃが、これで薬草が手に入った」

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