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お話の続きは異世界で

第12章 川のほとりで語らえば

川面を指先で撫でて笑い返すと、カエルは片目を細めて呆れたように言った。

「…綺麗って、景色じゃなくてそういう話かよ!?」

「だって…喉かわいたんだもん」

こっちに来てからずっと飲まず食わずだし。

なのに走ったり、長距離歩いたり…普段より動き回ってる。

さっき水浸しになった時、汗とか洗い流したみたいになったらしくて、カエルに乾かしてもらったらスッキリした。

でも…何か飲みたいんだよぉっ!

「だからって川の水なんか」

「だって他に無いし。お腹壊さなきゃ大丈夫だし」

「…ったく!しゃーねーなぁ!」

カエルはカリカリと頭を掻いて舌打ちをすると、ブツブツ唱え始めた。

すると、私の周りの空気がひんやりとしてきて…

不意に景色が歪んだ。

「え!?」

瞬きするうちに、歪んだ景色が形を変えていって…丸く、球体に変わっていった。

「空気中の水分を固めて水にした。この方が安全だろ」

「凄い!!ありがとう!」

空中に浮かぶ水滴…と言うか、水風船?

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