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お話の続きは異世界で

第12章 川のほとりで語らえば

それに手を伸ばすと

「触ったら崩れるからな。一口で飲み込めよ」

はい!?

伸ばしかけた手を慌てて引っ込めた。

…って事は。

さっきの、薬草を採った時を思い返した。

カエルが投げた水風船。

あれと同じものなんだろう。

当たったら弾けた。

それを…飲み込め!?

「…口の中で爆発しない?」

「崩れるだけだってーの!」

鼻で笑われて馬鹿にされた。

「……もうっ!分かったわよっ!!」

覚悟を決めて、大きく口を開ける。

下からすくうようにして水風船を口に入れて…

「…っ!」

口の中いっぱいに炭酸水含んだみたい!

プチプチと気泡が弾けるように、水風船が液体に変わっていった。

ゴクリと飲み込む。

喉を心地よく刺激していって…久しぶりの感覚に、体が喜んでる。

「美味しい…」

「そりゃ良かった」

「ねぇ、もっと」

「はぁ?」

「もっと飲みたい!…駄目?」

「駄目って…あぁ、分かったよ!」

カエルは諦めたようにため息をついた。

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