テキストサイズ

お話の続きは異世界で

第12章 川のほとりで語らえば

カエルに出してもらった水風船を、満足するまで飲み込んで、一息つく。

「ありがとう。生き返った~!」

「そりゃあ良かったな」

そう返してくれたものの、カエルは私と顔を合わそうとしない。

いや、むしろ…

「ねえ、もしかして怒ってる?」

「はぁ!?…怒ってねーよ」

だけど顔を背けてて…

何となく、顔が赤らんでるように見えるんだけど。

怒りで顔が赤くなってるんじゃないんだ。

「えー?じゃあ、不満?」

「不満って…!何がだってんだ!?」

「パンダウサギさんと離れちゃったから?」

「…は?」

あ。やっとこっち向いてくれた。

でもその顔は、焦ってる訳じゃなく、怪訝という感じだった。

……あれ?

「だって、信さんを送らなければ、パンダウサギさんもここにいた訳で…私達のせいで一緒にいられなくなっちゃって…」

離れるの、寂しいんじゃないの?

そんな思いを込めてカエルを見れば、大きくため息をつかれた。

「アンタのせいじゃねーし」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ