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お話の続きは異世界で

第13章 夕焼け空に星ひとつ

もしかして――理穂…?

期待を込めて部室から出てきた人を見て…

「あ」

その期待が外れた事で、口からは無意味な音が漏れた。

佐藤くんだ。

「何か取りに来たのか?時間かかるなら鍵預けるけど」

部室の鍵を右手に持ち、佐藤くんが語りかけてくる。

でも私はそれどころじゃない!

「理穂は!?」

「…少し前に荷物取りに来た」

「少しって?どっち行った!?」

「さあ。もう帰ったんじゃねーの?」

佐藤くんの無関心とも言える口調にカチンとする。

「…理穂、部活辞めるって」

「ああ。だから私物持ってった」

「どうして止めてくれなかったの!?」

佐藤くんを睨み付けると、彼はため息混じりに言った。

「自分で決めたもんを何で止めるんだ?」

「何でって…」

「止めて、どーすんだよ」

どうするって…

「私はただ、辞めて欲しくなくて…」

理穂の書く、ほっこりした話が好きだから。

もっと一緒に活動したい。

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