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お話の続きは異世界で

第13章 夕焼け空に星ひとつ

ウサギってば、何を考えてるんだろう?

チケットを渡してきたって事は、そこで待ってるって意味なんだろうか?

「だけど…なんだか仕組まれてるみたいで気味が悪い」

「みたい、じゃなくて、仕組まれてんだってーの」

あきれ声を上げるカエルに、口を尖らせてしまう。

分かってるなら、何か対処できないの!?

「あ!その船着場に着く前にどこかで降りればいいんじゃない?」

ポン、と手を打ち合わせて思い付きを口にする。

何も大人しくお膳立てに乗っかる必要はないんじゃない?

まだ船着き場も見えないんだから、今のうちに舟から降りちゃえばいいんだ。

なのに、カエルの返事は素っ気なかった。

「まぁ無理だろーな」

どうして?

「水の精霊の力を借りれば、舟から降りることだって出来るんじゃないの?」

さすがに川の流れを止めるなんてのは無理だろうけど、舟を岸に近付けるくらいならどうにかならないかな。

「無理だってーの!」

カエルはイライラしたように頭を掻きむしる。

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