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お話の続きは異世界で

第13章 夕焼け空に星ひとつ

何なに!?

「どうしたって言うのよ!」

カエルの行動に面食らってしまうと、カエルは舟の外を指差して

「下、見てみろって。そしたら分かんだろーよ」

下?

何を言っているのか理解できなくて小首を傾げ…

仕方なく、舟の縁に手をついて下を覗き込んだ。

「…何これ。どういう事!?」

さっきまで下っていた川は遥か下方に見えた。

白と灰色の岩に囲まれて、細々と身をくねらせるように流れを作っているのがよく分かる。

それぐらい遠くて…

「空撮みたい…」

あまりにも高い場所から眺めたせいか、落ちるとか怖いとかの感情は一切湧かなかった。

ただのんきに、景色の綺麗さを楽しんでいたら…

「アイツ、この舟に魔法かけてきやがった!」

カエルの苛立った声に、ハッと意識を戻す。

「アイツって…ウサギ…?」

「それ以外の誰だってんだよ!」

確かに。

自分の質問の馬鹿さに顔をしかめると、カエルは大きくため息をこぼし

「…悪ぃ。苛立っちまった」

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