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お話の続きは異世界で

第13章 夕焼け空に星ひとつ

首をゆるゆると振って謝るから、私も申し訳なくなる。

「ううん、そんな…気にしないで」

それを聞いたカエルは大きく息を吐くと、その場であぐらをかいて座り込み、頭を抱えた。

「気にするなって…無茶言うんじゃねーよ」

「何で!?」

「アイツの思うがままなのに、気にするなってか!?」

「そっち!?」

私が言ったのは、カエルが苛ついてた事についてなんだけど!

でも…まぁ、ウサギの事も気になるのは間違いない。

「でもそれは…」

言いかけて…言葉に詰まる。

確かに、ウサギの戦略にのせられて、何処かに連れていかれている状況は、一言で言えば『マズイ』んだろう。

「この高さじゃあ、飛び降りる事も出来ねー」

「精霊の力でも無理なんだっけ?」

「ああ。水からの距離が遠すぎる」

「…成る程」

カエルの魔法は水の精霊の力を借りる事。

近くに水がないと発動出来ないのか。

……もしかして。

ウサギはそれも見越して、この高さまで舟を飛び上がらせたんだろうか?

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