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お話の続きは異世界で

第14章 遠く聞こえる音楽は

「………人、かもな?」

「人?」

「人が怖ぇんだ」

低い声で告げられて…

その声の調子から、本当なんだと実感できた。

だけど、普段のカエルからはそんな様子は感じられなかったのに。

面食らった私に、カエルは苦笑いを浮かべると

「中でも…ネェちゃんが一番かもな」

そう言って、ハッ!と短く笑った。

まただ。

さっき、パンダウサギさんと離れちゃってさみしくないかって聞いた時。

その時も同じような雰囲気になった。

「…パンダウサギさんが苦手なの…?」

『嫌い?』とは聞けなくて。

それでもおそるおそる口にした質問に、カエルは頭に手を当ててため息をついた。

「ネェちゃんが今何をしてるか…知ってるか?」

え?今?

「信さんを送り届けてる」

一緒に見送ったのに、突然何を聞くんだろう?

とまどう私に、更に質問をぶつけてくる。

「何で?」

「何で!?」

送り届けるのに理由なんてあるの!?

まばたきするだけで答えられないでいると

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