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お話の続きは異世界で

第14章 遠く聞こえる音楽は

「何でネェちゃんがわざわざ送るって言い出したんだと思ってんだぁ?」

カエルは『わざわざ』の部分を強調して聞いてきた。

その言い方に、やっぱり何かあるんだと考えを巡らせる。

そこは私も不思議に思ってた。

今までのパンダウサギさんの行動なら…

まずはウサギを捜しに行こうって言う。

方向の違う信さんは、きっと一人で帰らせただろう。

なのに…何で?

「信さんのお母さんが心配だったから…?」

「知り合いでも何でもないのにかぁ?」

「う…」

だよね。

そうだろうと思うよ?

でも、それ以外の理由なんて…あるの?

何も思い浮かべられないでいれば、カエルはため息をついて

「目貫、見たろう?ハヤブサに楓の家紋」

「目貫?」

目貫…って何だっけ?

あ、でもハヤブサに楓…って何か聞いた気がする。

…あ!そうだ!

「信さんの刀?」

薬草を採る時に、信さんから刀を借りた。

その時にパンダウサギさんがそんな事を言ってた!


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