テキストサイズ

お話の続きは異世界で

第14章 遠く聞こえる音楽は

「でも…それがどうしたの?」

意味が分からなくて首を傾げて聞けば

「はあ?おめぇさん、何言っていやがる!?」

カエルは真ん丸な目を更にひんむいて言い…

唐突に肩の力を抜いて、細かく頷いた。

「ああ、そうか…おめぇさんは渡り人だったな。知らなくてもしゃーねーか」

一人で納得しないで欲しい!

さも当然とばかりの口調に、面白くないのが半分。

そして、残る半分は――純粋な疑問だ。

「だから、それがどうしたって言うのよ!」

「あの家紋は、尾頭領主の紋なんだぜぇ?」

「尾頭?」

聞いたことがある。

だけど…何だっけ?

記憶を辿って…あ!思い出した!!

「信さんの名字だ!」

初めて会った時に名乗られて、それ以来『信さん』呼びだったから、すぐに思い出せなかった。

納得しかけて…一つ、引っ掛かる。

「領主…って、何?」

言葉的には偉い人っぽいんだけど。

「領主ってのは…あー、めんどくせぇなぁ。新中の国長だ」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ