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お話の続きは異世界で

第14章 遠く聞こえる音楽は

「それで?パンダウサギさんが何だって言うのよ!?」

話の矛先を変えたくて、不機嫌をあらわにした表情のままで聞けば

「ああ、そうだったなぁ」

そう言って、カエルは笑いを収めるために咳払いをした。

「ネェちゃんがアイツを送って行ったのは、アイツが領主の息子だから」

「え?」

何を言ってるの?

意味が掴めなくて、何度も瞬きをしてしまう。

だけど何度瞬きをしようが、何も変わらない。

「気付かなかったのかい?あの刀を見てから、ネェちゃんの態度が変わったじゃねーか」

…そうだっけ?

全く気付かなかった。

そんな私に、カエルは「はっ!」と短く笑うと

「アイツが新中の跡取り息子だって気付いてから…要は、地位が高くて金持ちだからだぜぃ?」

嘲るような口調に、やるせない気分になった。

「そんな…」

パンダウサギさんの行為は、病気のお母さんを気遣っての優しさじゃなかったの?

だったら、どうして?

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