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お話の続きは異世界で

第14章 遠く聞こえる音楽は

苦々しく言うけど…

「でも…水恐怖症なんでしょ?」

だったら仕方ないじゃない?

「ああ。だからそれまでネェちゃんが全部後始末をしてたらしい」

後始末。

池に落ちた帽子を拾うのを『後始末』って言うんだ。

その言葉に、何だか嫌な後味を感じてしまう。

「でも…無理をさせるより、手助けしてあげるのは『優しさ』なんじゃないの?」

無意識に眉を潜めてしまうと、カエルは少しだけ表情を緩めて

「大切なもんを手にするために克服するか、克服出来ずに諦めちまうのか。それを決めんのもネェちゃん次第なんだぜぃ?」

そう言って、あーあと大きく息を吐いた。

「成功しようが失敗しようが、それもアイツの人生だろぉ?なのに何でネェちゃんはガッチガチに固めたいんだか」

そこまで言われて、カエルの言う『過保護』って意味が分かった。

パンダウサギさんはウサギが可愛くて大事なのに間違いはない。

けど…何でもかんでも手出ししすぎるんだ。

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