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お話の続きは異世界で

第2章 異世界へ飛ばされて

日本語が通じるから、日本かと思ったけど…違うの?

漠然とした不安が胸に広がる。

「あなたの名前は?」

「ワシか?ワシは尾頭信之助(びとう しんのすけ)。頭のてっぺんでも、尻の先でもないぞ!尾頭じゃ!」

腰に手を当てて、仰け反り気味に名乗る男を見て、呆気にとられた。

とられながら…

尾頭、信之助…?

聞き覚えがある。

聞き覚えというか…見覚え。

佐藤くんが書いた小説に出てきたサムライの名前と同じだ。

それに、この自己紹介。

入部した時の佐藤くんの自己紹介に似てる。

『俺の名前はカトウでもビトウでもムトウでもない!佐藤だ!』

その瞬間はスベったように静かになったけど、そのお陰か皆が1発で佐藤くんを覚えてた。

この人…佐藤くんの作ったキャラなんだわ。

って事は…

この世界は、佐藤くんの小説の世界。

私、佐藤くんの小説に入っちゃったんだ!!

あり得ない話とこれからどうしたらいいのか分からずに青ざめてしまう。

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