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お話の続きは異世界で

第14章 遠く聞こえる音楽は

…違うよね?

一緒に行動した、仲間…だよね?

「渡り人だとしても…2人の事は大事に思ってるよ?」

呼び掛ければ、カエルは薄笑いを止めて、少しだけ目を見開いた。

そんな驚く程、意外だった?

それとも…私が『渡り人』だから…?

「カエルだって…そう言いながらも、パンダウサギさんの事『嫌い』じゃないんでしょ?」

苦手だって言ったけど、でも…

愛情がない訳じゃないと思う。

そう信じてカエルを見たら

「甘ぇよなぁ…」

カエルは少しだけ俯いて…クックッと笑いをこぼしながら

「オイラはおめぇさんのそういう所が…」

そう言い掛けた途端、ガクンと舟が揺れた!

「え?何!?」

驚いて座り込んで周りを見回す。

揺れたのは1度だけで、今は何ともない。

でも…

「下に向かってやがる!」

カエルが焦ったような声で告げるから、私も目を見開いた。

「え!?落ちるの!?」

のんきにしてる場合じゃないよ!

這うようにカエルに近付いて、様子を窺う。

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