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お話の続きは異世界で

第14章 遠く聞こえる音楽は

おそるおそる舟の縁に手をかけて、万が一の時のために身構えると

「…いや、降りてるんじゃねーか?」

カエルが戸惑ったように言う。

どういう事…?

その声に促されるように舟の縁から下を覗けば、川の両岸はレンガで綺麗に整備されていた。

「…はい?」

真っ直ぐに流れ込むそれは、川と言うより運河と言った方がいいかもしれない。

川幅も広く、キッチリと人の手で整備されている。

「さっきまでと全然ちがう…」

あまりの光景に呆然と呟いた。

辺りには赤や緑の鮮やかな屋根が川沿いに連なっていて、人口の多さがよく分かる。

下降しながら近付いて行けば、どこからかアコーディオンの奏でる音楽が聞こえてきた。

こっちの世界に来てから、山やら湖やら自然が織り成す景色しか見てこなかったら、何だか新鮮に感じる。

「賑やかな町だね」

声を弾ませて言えば、カエルは渋い顔付きで…

「え?どうしたの?」

「おめぇさん…ちったぁ警戒しろよぉ」


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