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お話の続きは異世界で

第16章 運命の出逢いを果たしたら

いいな、って思うものを選ぶだけ。

何も難しい事はないじゃない?

並んでいる人形はそれぞれ違う年格好で、どれもとてもよく作られているのが分かる品だ。

いい品物過ぎて、目の前の棚の1列分を見ただけでも、どれがいいのか分からなくなる。

「さぁて。あなたに似合う子はどれかな?」

私をからかうような男の人の声は一切無視して、とにかく人形を見る。

好きなもの。

これだ!ってピンとくるもの。

一目惚れみたいに、手離したくなくなるもの。

そんな人形を探して、棚を隅々まで見ている…と

「…あれは何?」

部屋の隅っこ。

角にピッタリと押し付けられるように、ワゴンが置かれている。

真四角で、それなりに深さのあるケースがワゴンに取り付けられていて…

「ああ、それ?」

女の子がそのワゴンに近付くと

「これはね、廃棄されるものたちよ」

そして、ケースの中に入っていた人形を鷲掴みにした。

「廃棄って…棄てちゃうの!?」

見た感じ、どこか壊れているような感じでもないのに。

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