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お話の続きは異世界で

第16章 運命の出逢いを果たしたら

「仕方ないじゃない?人気ないんだもん」

女の子は掴み上げた人形を一瞥する。

赤いドレスを着て、胸くらいの長さの金髪を三つ編みにした少女の人形を。

「選ばれない子は、棄てられるしかないのよ」

そう言って、ポイとカートに投げ入れた。

人形のスカートがヒラリと舞って、そのまま落ちていって…

「そんな…」

言葉に詰まる。

目の前で棄てられて、何だかショックだ。

でも私のものじゃない。

売れない商品を整理するのは、どこのお店でもやってる方針だろう。

だけど…何だろう?

罪悪感のような、後ろめたいようなこの気持ちは…

「お嬢さん、呑気だね」

店主の男の人の声で、ハッと我に返った。

「時間、もう半分もないよ?」

男の人は砂時計をコンコンと指先で叩きながら、愉しそうに目を細めて私を見ている。

その言葉の通り、砂時計の砂が底に結構溜まっていた。

「え!ウソ!!待って!」

慌てて棚に向き合う。

女の子の笑い声が聞こえたけど、そっちを構っている暇がない!

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