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お話の続きは異世界で

第16章 運命の出逢いを果たしたら

そう言われて、女の子の手から落ちていった人形のようになったら――絶対に後悔する。

反対の手を伸ばして、人形を掴んだ。

やった!!

勢いつけて凹みから引き抜く!

それとほぼ同時に、どこからか鐘の音が鳴り響いた。

「お時間です。チャレンジ終了となりますが宜しいですか?」

「じゃあこの子!」

私はそう叫びながら、棚から取り出した人形を掲げる。

男の人は驚いたように目を見開き――

「…かしこまりました。あなたの選ばれたもの…そちらで間違いないですね?」

そう言って不思議な笑みを浮かべる。

嘲るような、何かを企んでいるような笑み。

どういう意味?

「え」

頭上に掲げた人形を目で追って…見間違いかと2度見までしてしまう。

「……うそだぁ…」

何度見ても、それは見間違いなんかじゃない。

「何で…」

佐藤くんじゃないの…?

その人形は真っ白でつるつるしている。

人形として大事な顔のパーツも、髪の毛も服も何も付いてなかった。

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