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お話の続きは異世界で

第2章 異世界へ飛ばされて

「神の使いならば、薬草のありかを知ってはおらぬか?」

「へっ!?」

何で私に聞くの!?

私、さっきここに来たばっかりだって言ったじゃん!

「知らない」

即座に答えると、信さんは明らかに肩を落とした。

「…そうか…ワシが言う前に薬草の話を振ってきたから、てっきり知っているとばかり…!」

そんな…知ってて当たり前くらいの期待を込められても。

知らないものは知らないんだから!

仕方ないじゃん!!

「ちょっと、信さん。それで、渡り人の人ってどうやったら元の世界に帰れるの?」

「ワシが知るわけなかろう!?」

……だよね。

うん、そうだろうと思うよ?

けどさ、ちょっとくらい考えてくれても良くない?

「神の使いじゃろう?聞いとらんのか?」

「聞いとらんよ!」

そもそも『神の使い』ってのも怪しいんだけど。

ムッとして信さんにふて腐れ顔を向ければ、信さんは口の端を曲げて笑った。

「ワシの真似か?」

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