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お話の続きは異世界で

第17章 がんじがらめに縛られて

あまりにもじっくり見すぎたせいか、女の子は不機嫌そうに目を細くした。

「あ…ごめんなさい」

咄嗟に謝ってしまう。

「別にいいわよ」

ふて腐れた感じの女の子の頭を、男の人が抱え込むように自分に引き寄せて

「運命の出会いを果たした…その結果がこれだよ」

そして、優しく髪を撫でる。

その態度や手つきからも、愛情が感じられる…のに

「選ばれたからそうなっただけよ」

女の子は不機嫌なまま、つまらなさそうに呟く。

「選ばれずに棄てられるよりはマシ。ただそれだけよ」

「相変わらずつれないなぁ」

女の子のすげない態度に、男の人は苦笑いを浮かべながら、女の子の髪にキスを落とす。

「そんなところも可愛らしいけどね」

「バカじゃないの?…ああ、バカだったわね。あぁもうっ…離しなさいよ…っ!」

そう言って口では悪態付きながらも、ちゃんと近くにいるんだから、運命もウソじゃないのかも。

だって、2人はじゃれあってる様にしか見えない。


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