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お話の続きは異世界で

第17章 がんじがらめに縛られて

「コイツは…力ずくじゃあどうにもなんねーな」

思いっきり引っ張ったのか、カエルは肩で息をしてる。

でも不思議なことに、私には引っ張られた感覚がなかった。

リボンから手を引き抜こうとしても、縛られてる痛みも何もなくて。

そういった力も、リボンが吸収してしまったんだろうか?

だとしたら、どうやったら取り外せるの…?

答えが出なくて、ただ眉を寄せることしか出来ないでいると

「リボンは実体化していないので、俺達では手の出し様はありませんが…」

男の人が話しながらカウンターの下を探っている。

何をしているんだろう?

とりあえず気になったので、カウンターの近くに寄ってみる。

「何?どうしたの?」

「ああ、ありました」

ようやくお目当てのものを見つけたようだ。

「実体化しているものなら、どうにか出来るかも」

そう言って立ち上がり、私に差し出したのは――大きいはさみ。

裁縫で布を切る、裁ち鋏ってヤツだ。

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