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お話の続きは異世界で

第17章 がんじがらめに縛られて

『彼女は元は人形ですよ』

男の人の言葉を思い出した。

女の子が元は人形なら…

他の人形が目の前で切り刻まれて、何も思わない訳無いじゃない!?

「やっぱり駄目!」

叫びながら腕を思いっきり振り上げて、人形をはさみから遠ざける。

「…そんな事をしても、何の解決にもなりませんよ?」

男の人はあきれ顔で私を見て、やれやれと肩をすくめている。

確かに解決はしないだろう。

…でも!

「こんな事したら絶対後悔するんだから!」

厳しい口調で言い放って…少しだけ不安になる。

勝手に女の子の気持ちになって言ったけど…

私と同じ気持ち…だよ、ね?

女の子を窺い見れば、驚いたように瞬きをして…顔をそらされてしまった。

え?違ったの!?

人形を腕にぶら下げたまま、次にどうするべきか悩んでいると

「俺は最善を尽くしてきたつもりだ」

男の人が低い声で呟く。

「その時々において一番最適である方法で」

そう言って、開いたままだったはさみを閉じた。

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