テキストサイズ

お話の続きは異世界で

第3章 薬草探しの途中で

楽しませているだけで、どこかに行くあてがあるわけじゃないのかもしれない。

だとしたら、道に迷うだけ。

ウサギを追いかけるなんて、もしかしたら無意味なことをしてるのかもしれない。

そんな漠然とした不安に襲われていると、急にウサギが跳ねるのを止めた。

「ようやく…止まった…っ!」

息も絶え絶えにウサギに追いつくと、そこには池が広がっていた。

「池…?」

池と言っても、周りの木々が鬱蒼としているせいか、印象としては沼のようだ。

水も濁っていて、とても綺麗とは言い難い。

「何なの?ここに連れて来たかったの?」

立ち止まっている理由を、ウサギは何も言わない。

「何でこんな世界連れてきたの!?元に戻してよ!」

何も言わないから、気持ちが爆発して思うままに叫ぶ。

「あ!…って言うか、佐藤君のノート返して!」

手のひらをウサギに向けて出す。

とにかくそれが最優先事項だ!

なのにウサギはのん気にあくびをした。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ