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お話の続きは異世界で

第3章 薬草探しの途中で

「ふぁぁあ…ノート?あー、これ?」

ウサギは懐からノートを取り出した。

青い表紙のルーズリーフノート。

あれからずっとそこに入れていたの?

B5サイズだよ?かなりかさばらない?

「そうそれ!返して!!」

もう1度手を振って差し出すと、ウサギは目を細めた。

「もともと君のものではないでしょう?」

「だけど私が借りたの!責任もって返さなきゃいけないの!だから返して!!」

語気を荒らげて畳み掛けるように言って、あ、ともうひとつ要望を伝える。

「そして私を元の世界に戻して」

ノートだけ返してもらってもしょうがない。

私が戻らないと、佐藤くんに返すことが出来ないじゃない。

すると、ウサギは目を丸くした後、髭をピクピク動かした。

「どうしようかな」

え?

「君を閉じ込めたい気もするんだよね」

はい?

「どういう…意味?」

連れ去って…監禁でもするつもりなの!?

来た時のように抱えられて宙に浮いたら、逃げようがない!

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