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お話の続きは異世界で

第3章 薬草探しの途中で

ゆっくりと後退りして、ウサギとの距離を取る。

こんな事しても無駄かも知れないけど、しないより気分的にマシ。

すると背後から木の葉を掻き分ける音がして

「おりん!ここか!」

信さんが険しい顔で走ってきた!

「信さん!!」

ウサギを追いかける事に夢中で、信さんの事を完全に忘れてた!

「追いかけて来てくれたの!?」

「おりんはワシの仲間ではないか!」

ん?

そこまでの付き合いはまだしてないじゃん!?

でも、仲間だと思って来てくれた気持ちは、純粋に嬉しい。

「信さん…」

どうしよう。ウルッときた。

ウサギは私の気持ちを読めるんだろうか?

目を細めてにんまりと笑うと

「こうしたら、どうなると思う?」

そう言って、ルーズリーフノートの留め具を外した。

「え……何するの…?」

そして、ノートを空に掲げた。

その途端、ルーズリーフノートが風に吹かれて、バラバラと空に飛び散った!

「何するのよっ!?」

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