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お話の続きは異世界で

第4章 魔術師が現れて

目の前の光景があまりにも想定外で、ぼんやりとそれだけを呟いた。

全長1メートルくらいの、お祭りのようなハッピを着たカエル。

後ろ足で立ち、前足を使って刀を受け止めてる。

水掻き…結構ちゃんとあるんだ。

変なところに目がいって、変な感想を思う自分に笑えてしまう。

クスクスと笑いをこぼす私に、カエルは目を半眼にすると

「この状況で笑うって…」

「仕方あるまい。おりんはそういうおなごよ」

ん?

何か変な誤解されてない?

首を傾げる私を見て、信さんは片方の口角を上げて笑みを浮かべる。

「再び問う。おりんに何の用だ」

すると、カエルは刀を上に返すと、ピョンと後ろへ跳ねた。

リアルかえる跳びだ!

やっぱ距離が出るもんなんだなぁ。

感心してカエルを見てしまうと

「あの女に用はない!」

距離をとったまま、信さんへカエルが叫んだ。

「ならば何故おりんを狙う!?」

「アイツが臭うからだ」

へ!?

臭う!?

咄嗟に手や腕のにおいを嗅ぐ。

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