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お話の続きは異世界で

第4章 魔術師が現れて

ウサギの残り香がするんだろうか?

もう一度嗅いでみるけど…ダメだ。よく分からない。

「アイツをかくまってんのか!?出しやがれ!」

ハッピの袖をまくり上げて威嚇されたけど…

「ごめん!逃がした」

「何だと!?」

私に詰め寄ろうとするカエルを、信さんが捕まえる。

「ワシらもあやつを追っておるのでな」

「アイツ…おめぇさんらにも何かしやがったのかい?」

片目をつぼめたカエルに睨まれて、無意識に体を硬くする。

蛇に睨まれたカエルってことわざがあるけど…

カエルに睨まれた私って…どういう状況?

「大事なノートをバラバラにされた」

私が手にしているノートを見て、カエルはため息をついた。

「修復は出来ないのかい?」

「元々バラバラなものをまとめたものだから」

「だったらいいじゃねぇか」

カエルの気楽な口調にカッとする。

「でも汚れちゃったし!水に濡れてクチャクチャになっちゃったし!元通りにはならないんだもん!!」

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